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自然と戯れた活動記録
by じゅりあ
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ノジュール形成の考察

さて、「アッツー層にせまる」 の続きとして
白黒の差や状態が違うと言う事の理由について。

単純には、

①時代の差
②ノジュール形成の状態の相違
③ノジュールになった後のなんらかの外部影響

と言うのが考えられる。

観察の結果、私的には、黒爪が古くて白爪が新しい時代。と見たのだが・・・。
どうでしょう?
ま、時代はたぶん二の次で、
問題は状態。
これは、ノジュールとは「時を止めた真空パック的保存ケース」だと思っている。
ノジュールこそが化石の状態をにぎる鍵。

そうしたら まったく同じ事を書いている文献を見つけた。

『地質調査を行って細かく観察していくと 少なくとも一部のノジュールは明らかに堆積とほぼ同時に形成されていることがわかる。
中心部分のやや濃い部分が強く固結したノジュールの「核」であり その周囲の 3 ~ 6 cm 程度がやや炭酸カルシウムの濃度が低いノジュールに「なりかけ」の部分である。
そこでは相対的に泥の成分が多い箇所と炭酸カルシウムが多い箇所が不均質に分布しているようすがみられる。

ノジュールは石灰質の化石を包みこむように発達する場合ばかりではない。
よく目にする型としては木片や生痕化石など 炭酸カルシウムを伴わない有機質の化石の周囲にもよく発達する。
海底に達した有機物は遊離酸素を電子受容体とした酸化分解により失われていくが
生物遺骸など大きな有機物の塊が泥の中に埋もれてしまうと 周囲の間伱水に溶けこんでいる酸素を使いきってしまってもまだ有機物が分解しきれずに残ることがある。
そうなると 有機物は酸素ではなく海水に豊富に含まれている硫酸イオンを電子受容体として使って分解されていく。
海水中では塩化物イオンが最も含有率の高い陰イオンだが、その塩化物イオンの約 14 %もの濃度で硫酸イオンが含まれている。
そのとき有機物と硫酸イオンの反応により 硫化水素と重炭酸イオンとアンモニアとリン酸が生じる。
この際重要なことは 二酸化炭素ではなく重炭酸イオンが供給されることだ。

酸化的に有機物が分解されると酸化炭素が供給される。
二酸化炭素が供給されると平衡状態が移る。
したがって炭酸カルシウムはむしろ溶脱することになり、結果 重炭酸イオンの濃度が増加する。
一方、重炭酸イオンが供給される場合の平衡状態が移動し 炭酸カルシウムの形成を促進する。
海底である程度の規模の有機物の塊が存在し 水の供給が制限されるような場では
重炭酸イオンが供給されるため炭酸カルシウムが形成されやすくなる。

ノジュールが海底付近で(堆積初期に)形成される場合は 重炭酸イオンの供給源になった生物に由来する有機物とその生物がもっていた硬組織を包みこむように発達する。
この過程で化石となる硬組織が未破壊の状態で「カプセル」に封入される。
化石を取りこんだノジュールは炭酸カルシウムの膠結作用によって「セメントに埋めこまれたような状態」になる。
こうなると たとえ周囲の地層が圧密を受けて変形するような場合でも「カプセル」の内側の化石は変形や破壊から守られる。
海底直下のノジュールが形成される場合はまだ堆積物の粒子間の間伱が 80 %程度あり そこを海水と同じ組成の間伱水が満たしている。
ノジュールが形成されるときは その伱間が炭酸カルシウムで置換される。
一方、ノジュールができない場所では泥がどんどん上に堆積していき その重さで圧密を受けるため間伱水は搾り出され
堆積物の体積は圧縮されて最終的には 1/3 ~1/4 もの厚さになってしまう。
その際にノジュールに守られていない化石は細かく破砕されてしまう可能性が高い。
ノジュールでは炭酸カルシウムが満たされているため間伱水が浸入しにくく 酸性間伱水による化学的続成作用(溶解等)の影響も最小限に抑えられることになる。』

「ノジュールはタイムカプセルだ」。と言う金沢大学の長谷川教授の論だ。

カニ爪は、元はほとんどが二重ノジュールになっている。
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この二重の結束はきつい物(剥がれない)と 緩い(すぐ分離する)物がある。
そして、白爪はボソボソの砂岩質ノジュールでノジュール母岩自体の結束は緩い(モロい)。
逆に黒爪の周りは普通の泥岩ノジュールで密閉度(圧力も?)が高いのかモグリン自体の風化も遅く物によっては内容物的な物が残っていたり空洞のままだったり、
そして往々にして割った瞬間に水分が中から滴る物も多い。
中の化石化進度(?)が遅い と言う雰囲気だ。
まさに新鮮 真空パック状態。もしくは皮蛋(ピータン)?(笑)
(しかし、化石の状態が良いとは限らず、実際に白爪に残るイボイボやギザギザが無かったりなんらかの変成を受けている印象があり 死んだばかりの状態でフレッシュと言う意味ではない。)
ただし、あくまで白黒は時代の違いで それぞれに黒でもボソボソのノジュールが存在するし
白爪でもシッカリした泥岩ノジュールも存在する。
これは同様に堆積した場所や環境(成分)の結果なのだろう。

そして思うに化石自体の保存状況的には適度な乾燥は必要だと感じる。(ミイラ化・干物化)

又この論文の中で長谷川氏は、

『海洋で生成される炭酸カルシウムとしては二枚貝などの軟体動物やサンゴ、有孔虫などがよく知られ
保存のよいものは化学分析の対象となっている。
それらの化石をリン酸と反応させ 二酸化炭素ガス(CO2)に変換したうえで安定炭素・酸素同位体比質量分析装置用いて分析し
酸素や炭素の同位体比を知ることにより 当時の海水温度や海洋環境などさまざまな情報を得ることができる。
化石を用いた分析研究は進んでいるのだが、ノジュールを用いた同様の研究はあまり行われていなかった。筆者の研究室で卒論・修論研究を行う学生が丹念にノジュールの記載と分析を行った結果 ノジュール表面に底生生物活動の痕跡が残るなど
明らかに硫酸還元帯の最上部付近で形成されたという証拠があるノジュールがみつかり
それらの酸素同位体比を分析したところ 海底の水温を反映していることがわかった。
すなわち 一部のノジュールは「過去の海底水温計」として機能するのである。

又、ノジュールを粉にして有機溶媒で抽出すると ノジュール中に残っている生物指標有機物(バイオマーカー)が得られる。
これをガスクロマトグラフ質量分析装置 で分析すればどのような種類の微生物がノジュール形成に関与したかを調べることができる。
このように ノジュールを化石だけではなく化学分析の方面からも調べていくことで過去の海底環境についてさまざまなことがわかってくる。
ノジュール内部から得られた化石については非常に多くの研究がなされているのに対し ノジュール本体については研究が少なく
それがどのような成因で形成されたのかについては詳細に理解されているとはいえない。』
とおっしゃっている。
まさに だ。
(原文先https://www.chart.co.jp/subject/rika/scnet/50/Snet50-1.pdf)

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by jurijuri555 | 2015-11-15 20:00 | 化石 | Comments(10)
Commented by コニアシアン at 2015-11-15 20:12 x
こんばんは(^ ^)
色々凄い…全然まだ理解できていません(^_^;)
そういえば、ノジュールINノジュールは白爪以外の場所でもありましたよね。
でも別な白爪ポイントではそのまんま…
最後の写真みたいにノジュールどうしがくっついて、ひとつになるのも面白いですww
僕自身白黒の崖の違いの詳しいところには気づけていませんが、やっぱり雰囲気でなんとなく分かります。
ハーフは困りますが^^;
最後から3番目の写真のノジュールは、割ってもボロボロになるパターンのものですか?(笑)

Commented by jurijuri555 at 2015-11-15 21:36
コニアシアンさん
こんばんはー。
ノジュールの整形が化石の末を左右するって事ですねー。
ノジュールINノジュールになる過程も面白そうですよね。
なぜ更にノジュールがノジュールになるのか。
二度の作用を受けているのか 
なんか やり直しやり直しした突貫工事の子供の夏休みの自由研究の工作の様です。(笑)
これはボロノジュールの方ですよねー。
ひょうたんノジュールはよくありますよー。
やはり2個中身が入っていたりします。
Commented by Macrowavecat at 2015-11-15 22:55 x
凄い力作長編ですね~。パワー半端無いっす!
たしか、黒爪沢河床のノジュールもアポカドっぽいのがありますね。黒爪の漂着ノジュールは、海に流されたノジュールが波に揺られてゴロゴロこすられて硬い部分だけが残ったものが打ち上がった可能性があるので、海岸崖の崩落ノジュールをチェックしたいんですが、標本は手つかずのままです。なにしろ余分な石が付いていて重い上に割りにくいです。
地層調査には有志を募って調査隊を立ち上げるのも面白いかも。
Commented by jurijuri555 at 2015-11-15 23:33
Macrowavecat さん
あはは、身近な謎なので良い宿題です。
同士がいたら是非崖調査を一緒にして欲しいですねー。
実際には全域での確認は出来なかったのでー。
大露頭の調査は難しいので各所のピンポイント部分の検証ですね。
黒爪ゾーンには白爪層と思われる部分があります。
しかし今回そこではノジュールの発見にはいたらなかったので 事実は持越しです。
これは「タイミング」がありますからね~。(^_^;)
まさか全部ツルハンで崩す訳にもいかないし。(爆)
すぐ横から河床以北は黒爪層です。
河床ではいまだに発見に至らないのですが 層からは確認しています。
てな事で断言までにはやはり時間がかかりそうです。
ご協力お願いします♪
崖からノジュールが落ちて それが寄せる波に洗われて余分なモロいノジュールが取れ あのノジュールが転がってる。がほぼ正解だと思いますよ~。
生黒ノジュールは割れないっすね!!!!そして中身も・・・。(^_^;)
2年ぐらい日干ししておくと良さ気です。(笑)
黒は成分調査、
化石としては狙いは白だと思います~。(^_^;)
Commented by アルビアン at 2015-11-16 09:35 x
ノジュールに含まれる化石の色彩
白亜紀でも考査してもよいかと
同じ白亜紀サントニアン ユウバリは黒い色
北の地域では白い色 保存が良い

地層の隆起時期、地熱や地圧による影響
低酸素の海  等 面白い素材がありますね

ノジュールになるのと生のもの
ハゲる人とハゲない人~ ん~悔しい
あっ 失礼

今回の考査はホントに学べますね
これが化石の魅力なんでしょうね、みんなで現地で
化石談義  やりたいです。
Commented by じゅりあ at 2015-11-16 10:07 x
アルビアンさん
面白そうですよねー。
ノジュールの色は元はその場の土や砂ですから シルト崖に白いノジュール
泥海底に黒ノジュールはわかります。
中川でも発見されているところを見ると 道北の地も冷水湧水があった様ですので 何やらワクワクしますね。
ユーバリは火山熱で焼けて変成しているので黒です。
ここのはやはり、メタンとかそんなのの影響があるんじゃないかな~。と思います。
半深海の隆起における生き物たちのキャーキャーな様子とその化学変異した土のノジュール成形・・・なんか面白い発見が出来そうですよ。
もしかしたら 深海にもスナモグリ族が居たのかとか いろんな説も考えられます。
ノジュールが完成する前に干上がったとかもアリですよね。
M傘の白黒も似た感じかもー。とか・・・。
Commented by vicky at 2015-11-16 22:10 x
なんとか途中とばしながらついてきました。(はぁはぁ)
ノジュール形成の研究もあまり先行例がないのでしょうか。
一つの説に結論を見つけ、証拠づけるのはやはり時間がかかるのですね。

前回のコメントから、アッツーの浜に出るにはかなり大変だということはガッテン、ガッテン!
Commented by jurijuri555 at 2015-11-17 03:01
vickyさん
まぁ、子供の方が身が軽いから チョロチョロした子じゃなければ
ゆっくりゆっくりは行けると思いますよ。途中まででも良ければ。
全部はね、万が一の時にレスキューも入るの大変だからやめた方がイイ。(^_^;)
ヘリ来てニュースになっちゃうよ。恥ずかしぃ~!!
携帯は通じるからOK!!!!(笑)
まずは遭難保険に入るべし。最低500万。(苦笑)
安心してヘリお願いしまーす♪と・・・。(^_^;) ランニングポイントヤッソー!!!!

ノジュール研究ったって、前回の話みたいに数週間で出来るなら研究も出来るけど
マジで何万年もかかるなら出来ないですよね~。
でも単純に考えたら そんな何万年もかかると中の死体も腐ったり分解されちゃうので
やはり意外と核周りはすぐ出来ちゃうんじゃないかな?と思うんですけど。ね?
あとの成長は鉱物の成長と同じで条件次第だと思われ。
研究が進むと 人工ノジュールとか出来て、人間の化石も作れちゃうかもねー。
Commented by beachcomberjp at 2015-11-17 17:12
こっち(愛知)でも、知多半島の先っぽでチタスナモグリのツメがノジュールに入っていますよ。
路頭は道路わきなんで、そうおおっぴらに掘れませんが、落下したノジュールを割ると、そっちで言われる「白爪」ですね。これは風化でしょうか?ただ道路工事などで新しい路頭では「黒爪」があります。

Commented by jurijuri555 at 2015-11-17 20:42
beachcomberjpさん
夏に行った時に ビーチコ系にするか山系にするかで迷って
瑞浪に行ってきました。
ビーチ系方面の化石もかなり迷いましたが やはり採集しづらいと言う事で
時間がなくあきらめました。
次回は そちら方面も考えてみたいです。
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