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自然と戯れた活動記録
by じゅりあ
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貝殻の修復痕

化石仲間さんの中では、アンモナイトの殻の修復痕を面白がって喜ぶ(?)傾向があるが(?)
貝コレマニアでは欠損はタブーである。(^_^;)
が、なかなか完璧な人間がいないのと同じで完璧な貝殻も養殖でもしない限り存在は奇跡に近いのだ。
キレイな貝殻・・・それは業者が補修しているにすぎない。(苦笑)

人間も 生きている中で転んだり病気の治療で、傷をおい それを直した傷が残りやすい人が居る。
私もケロイド体質なので傷跡は残りやすい。
昔のアンモだけでなく 現世の貝殻も良く見ると傷だらけで割れた?と思われる跡が多い。
特に殻口が欠けているのは結構な数がある。

まずは、そんな話から。

「貝殻の美しさを破壊する悪者たちの歴史」と言う 大路 樹生氏の論文がわかりやすい。(一部略)

『 巻貝の殻が持つらせんの形や表面彫刻に見られる形態の妙、巻貝や二枚貝の表面を彩る色と模様には目を見張るものがある。
美しいと我々が感じる標本の基準は、当然のことながら貝殻に傷や破損がなく、完全に近いものがもっとも価値がある、ということになる。つまり、「傷もの」は価値が下がる、ということである。
ところが実際に貝殻の表面を見てみると、結構多くの傷が見いだされる。
傷のない方が少ないのである。ではなぜ貝にはこのような傷が生じるのであろうか。
この話は貝殻の商品価値を下げてしまう、貝マニアの大敵、傷の話である。
私は貝マニアではないので、むしろ傷や破片に価値を見いだしながら研究を進めている。

 砂浜を歩いていて貝殻を見つけると、多くの貝殻がすでに割れて破片になっていることに気づく。
また、かつて海底に散らばっていて、その後地層に埋もれて化石層となっている貝殻を見ても、破片となっている二枚貝、巻貝が多く見いだされる。
これらの破損した貝殻は、多くの人が波や水流によって割れたのであろうと想像している。古生物学者でさえ、そのように考えている人が多い。しかし実際のところ、本当にそうであろうか。

 私は大学院生と共同で、二枚貝や巻貝の殻がどうやって割れるのか、そしてそれは地質時代のいつ頃からの現象なのかについて研究を行っている。
実は二枚貝や巻貝の殻が割れるのは、水流や波浪などの物理的な営力によるものではなく、二枚貝や巻貝の殻を割って捕食する動物たちが作った殻破壊の痕跡であることがほとんどである、という結論に達した。
そして巻貝に多く見られる傷は、殻を破壊して中身を食べる捕食者の攻撃に遭遇したものの、運良くその攻撃から逃げ出し、壊れた部分を修復した貝の経歴を示しているのである。
巻貝の場合、特に搭状の高いらせんを持つ貝は、殻の口近くに攻撃を受けても身をずっと奥へ引き込むことができるので、かなりの確率で攻撃をかわすことができる。
すなわち、攻撃を受けても生き残り、それが傷(捕食痕)となって殻に残される可能性が高いのである。
二枚貝の場合は殻が傷つくと、多くの場合それが致命傷となることが多く、破片のみが残り、捕食痕が残ることは多くない。つまりこの捕食痕は貝が生きていたときにどのくらい攻撃を受けていたかを示すバロメータともなりうるのである。

 次に、化石記録を見てみた。地層の中には浅い海に堆積し、嵐など、波浪の激しいときに海底まで波浪の波長が達して海底の堆積物が底生生物とともにかき混ぜられ、ストーム堆積物と呼ばれる構造が作られることがある。このストーム堆積物の中には頻繁に二枚貝や巻貝の化石層が挟まれることが多い。
地質時代にこのようなストーム堆積物を伴うような浅海性の地層から二枚貝、巻貝の化石層を選び出し、その中に破片化した殻が含まれていたかどうかを調べてみた。
対象とした地層は日本各地の中生代(2.5億年前~6,500万年前)の地層9例と新生代(6,500万年前以降)の地層12例である。
すると面白いことに、中生代の地層のうち破片化した殻の見つかったのは1例のみで、福島県のいわき市から広野町に分布する白亜紀後期の双葉層群足沢層に含まれる二枚貝の破片のケースのみであった。この地層には二枚貝の薄い殻が角張った破片で割れているものが観察される。
これに対し、新生代の地層からの12例は、多かれ少なかれいずれも破片化した殻を含んでいた。
もし殻の破片化が波浪や水流などの物理的営力によるものならば、時代によらずこのような破片が見つかってよいはずである。
 では、中生代の後半から新生代にかけてこのような殻の破片を作った犯人は何であろうか。前にも触れたが、殻を割って捕食する動物たちには甲殻類のカニ類や魚類(真骨魚類やサメ・エイなど)、鳥類、ほ乳類(ラッコやトドなど)など、多種多様なものが存在する。
しかし、これらの殻を割って捕食する動物たちが急増したのは中生代の後半以降である。
これはアメリカのVermeij博士が巻貝の殻形態の変化(対捕食者的なものに変化する)に特に注目して提唱した、「中生代の海洋変革」と呼ばれる現象に相当する。
つまり殻の破片はこれらの捕食動物が残した食べかすが地層に見られるようになった、と言うことなのである。

 さらに私たちは本当に二枚貝や巻貝の殻が物理的な営力で地層に見られるような破片化を生じないかどうか、アサリやキサゴ類で約1ヶ月間の撹拌実験を行ってみた。
結果はアサリの殻で少数の殻に破片化が生じたが、どれも角がとれて摩滅した結果であり、地層に見られる破片のような角張った破片は生じなかった。

 以上まとめると、今まであまり注目されてこなかった地層の中の破片化した貝類や、巻貝の傷はかつての捕食者の攻撃を示す重要なデータとなりうる、しかもそれらが増加したのは中生代の後半から新生代にかけてである、ということが明らかになってきたのである。
きれいな完全無欠の貝ばかりを探していたのではわからない、貝と捕食者の間の関係が、「傷もの」から浮かび上がってくるのである。』

次に貝殻の出来方。

貝殻は外套膜から分泌されます。
外套膜は内臓塊全体を覆っていますが、主に貝殻の形成に関与する部分は外套膜の縁辺部、すなわち外套膜縁です。
殻の形成には、まず殻皮と呼ばれる有機質の膜が分泌されます。
その膜の上に炭酸カルシウムの結晶が成長します。殻皮は殻が成長するための基質として作用します。
 貝殻は外套膜によって直接形成されるのではありません。
外套膜内部で結晶が生産させて運ばれるのではなく、外套膜と貝殻の間を満たす液体の化学反応を通じて形成されています。
この液体は外套膜外液と呼ばれます。
 貝殻は均質な非晶質の塊ではなく、無数の微小な結晶の集合体です。
貝殻は炭酸カルシウムの結晶から構成されています。
炭酸カルシウムにはカルサイトとアラゴナイトの2つの結晶型があります。
そして、不思議なことに その結晶のかたちは分類群によって様々です。
例えば、稜柱構造、交差板構造、葉状構造、真珠構造などが識別されます。
また、貝殻は複数の殻層が重なり合って形成されています。
このような結晶レベルの形態形質を総称して殻体構造と呼び 様々な殻体構造の様式は軟体動物の系統進化と密接に関連していますが、その形成機構は十分に解明されていません。

とありました。
ホタテで言うヒモ、巻貝で言うとアノ水管もどき(常に出してる先っちょ?)の事か???と思われるのですが。
=外套膜

手持ちの貝殻を見てみると・・・
d0318386_16362924.jpg
わかりますか?
あえて矢印とかは付けませんでしたが 主に元殻口であった所が欠けてボロボロになりそのまま継ぎ足して成長した跡が見られます。
これが一番多いと思います。
それ以外の軟体部に影響を及ぼす傷穴は、人間の縫合手術や絆創膏の様に すぐに外套膜から修復液を出して塞げられない限りは致命傷でしょう。
(軟体をしばらく海水に晒そうが死にはしないでしょうが捕食者に襲われてしまう。)

貝殻を観察しているとどうやら外側は継ぎ足しは出来るが完全補修(人間で言うと「研磨」)は出来ない様でガタガタのままです。
だからこそ「跡」としてわかるのですが、つまり外側のカルシウム分の殻だけでは隙間が空いているかもしれない様な雑な仕上がりで
それを補っているのが 真珠層になる内側のツヤツヤな部分で、何度もネロネロ液を出して固めた雰囲気が読めます。

巻貝の中には、殻口際にフタがあるものと 奥の方に引っ込んでフタをする者が居ますが
d0318386_16455295.jpg
左のエゾバイは奥の方、右のツメタ系は殻口ギリギリでフタをします。
(絶対バイの方が殻口が大きいのにフタを比べるとツメタと変わらないでしょ?)
外側の傷や割れは少々放置でも荒修理でも 便利な事に(?)フジツボだのゴカイだの殻表に付いて補強材になってくれる生き物が海中には多いのです。
しかしこの殻口内部の空間にも色々と付いちゃう事もある様で それは貝にとっても成長や生活に邪魔になるのでセッセと処理。
d0318386_16521039.jpg
d0318386_16522375.jpg
このツヤツヤの処理のおかげで 密閉快適清潔空間を保っている様です。(^_^;)

人間も 多少の外見にはとらわれず、貝の様に内側を艶々に磨きたいものですね。

 

by jurijuri555 | 2016-01-30 17:06 | | Comments(10)
Commented by vicky at 2016-01-31 11:46 x
じゅりあさんは、おそれ多くも現役研究者だったのですね。
ははぁー。(ひれ伏しました)
Commented by jurijuri555 at 2016-01-31 12:19
vickyさん
え、研究なんてしていませんよ。
夜中に思い立って 真珠層と表の殻と どっちが丈夫なんだろう・・・
とモクモクになってフライパンで炒ってみたり
漂白剤とポリデント どっちでより融ける?とか
etc.etc...くだらなーい実験をしているだけです。(爆)
フッ と陰で鼻で笑って下さい・・・
Commented by アルビアン at 2016-01-31 15:38 x
こんにちは~恵庭に仕事で行きましたよ
雪が少ないのでした~ お客は小学校の同級生でして
驚きました~ 頭みて笑ってましたよ  汗 くそっっっ

かなりこうして色んな事を調べますと、知識も豊富になりますよ
もー凄い専門的ですし、面白い内容です。
化石になる過程で地熱により 白化してボロボロになり
消えてなくなったり、ノジュールから調べるのも良いですね

アンモナイトの修復痕  結構面白いですよね
 
Commented by motoronron at 2016-01-31 19:32
どうもです(+∀+)。
大変興味深い記事でした。概ね、なるほど〜と思いましたが、
貝類やアンモナイトを食べたという
ペルム紀〜のヒボダス、古第三紀までいたというプチコダス
それぞれ長い期間生息しています。
それとの関連はどうなんだろうか?
当時、同様の生物は本当に少なかったのだろうか?
貝類はカンブリア〜白亜紀後半までの長い間、
捕食者があまりいない天国状態が続いていたのだろうか?
なぜか浅海についての記述のみだが、水深が変わっても結果は一緒なのだろうか?
化石を採取していると破損した貝は頻繁に見かけるが、
これは大路さんの言う「破片化した殻」とはどう違うのか?
...読んでいて、次々と疑問と興味が湧きました。
いつか、ご本人に質問してみます(笑)。
Commented by jurijuri555 at 2016-01-31 20:00
アルビアンさん
お仕事お疲れ様でした。
色々と研究している人がいるものですよねー。
検索ひとつで見つかるので助かります。
オウムガイの顔を浮かべますと
ヤベー、殻割れちゃったよ!!!!ぬるぬるぬるぬる・・・・・とセッセと無表情で(でもほんとはアセりながら)直している所を想像するとクスッと来ますね。(笑)
オウムガイやアンモが外側も直していたかはわかりませんが
貝はたぶん離れた外側を自らは直せないので 内側から押さえ固めるだけだと思われますー。
Commented by jurijuri555 at 2016-01-31 20:40
motoronronさん
自然界にはバランスが大事ですから 敵が何かと言う生物まではわかりませんが
今とそう変わらないと思いますよー。
アルビ師匠がメタプラのツメタか?の穴の事を書かれていた様に
共食い(?)するような仲間も居たでしょうし(肉食貝類)海獣も居たでょう。
貝と違ってプカプカ浮いていたり海岸に打ち上げれば鳥獣にも食べられたでしょうね。
ただ、大型化したと言う事は それだけ生き延びられた?と言う事でもあり、
又異常巻に発展(進化?)した理由、
当時 アンモと貝の関係まで考えますとアンモがイカタコなら貝を食べているでしょうし
考え(想像)し出すとキリがないですね。(^_^;)
Commented by arhopalamarysia at 2016-01-31 20:59
ZX9-Rです。
勉強家ですね~。確かに私のようなトーシロは綺麗なものに執着しますが、そこを知識で打破するのは流石学者さんです。こういった知識を知れば、破損品も愛らしく思えてきますね。最後の名言が気に入りました(笑)
私がかつて収集していた蝶ですが、やはり完品が重んじられましたが、鳥から攻撃された蝶の羽を研究されていた方がいらっしゃいました。やっぱり知識ですね!
Commented by jurijuri555 at 2016-01-31 21:07
Zさん
いやいや勉強はしていません。(^_^;)
想像の世界で妄想にふけっているだけなのですすが、
本日は何を血迷ったか 昆虫の本まで届きまして・・・。(汗)
進む気はないですが 世の中驚くべきことが沢山ありすぎて
理論や正論だけでは打破出来ない事が沢山あると感じます。
まさにワンダホー!!!!
名言ですか。
『にんげんってアホ』
(爆)
Commented by apogon2 at 2016-01-31 21:54 x
ノジュールに含まれているバラバラのアンモの欠片やイノセラの破片は捕食者に破壊された痕跡かな~と何気に思っていましたが、もしかしたらアンモなどは共食いもあるのかもしれませんね。
>人間も 多少の外見にはとらわれず、貝の様に内側を艶々に磨きたいものですね・・
最後の名言、心に刻みたいと思います。

そういえば・・心の傷はどうやって治せば良いのでしょうね~(笑)。
Commented by jurijuri555 at 2016-01-31 22:28
apogon2さん
貝殻の欠片・・・の原因は様々でしょうね~。
そこまで思いを巡らせていたら ゲームに夢中になり廃人になるのと同じで
その世界から抜け出せなくなりますよ。(爆)
私達には私達の生活と任務がありますからここまでで、廃人コースは本職の研究者に任せるしかありません。
人生何事もトリアージュ。優先順位を間違えない様にしないとね・・・。
(って、自分が一番ダラダラしていますがー。(^_^;))

心の傷も その方の性格によりけりでしょうが、そろそろ対処法はわかって来ている御歳だと思います。
忘れる事・糧にする事・気付く事・とりあえず置いとくetc...
広い自然の前に出ると 大抵はくだらない事ですよね。(^_^;)
そうするとワタクシ達はより癒しの世界に居る訳ですよ。シアワセダナー
経験として大事にする。経験した事で逆の立場もわかる様になるのですから。
人間としてハクがついた訳ですよ。ポジティブ!!!!
あ、事が金銭や物品に関しては、ファイト!!しかないですね。(汗)
専門家にご相談するか必死に働くしかないです。(買い替え・修理代とかにしても)
時にはなによりも早急な対応がイチバン。(笑)
 て、マヂメか・・・。(^_^;)
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